速読法の注意点 [その他]
速読法は勉強の効率アップに有効です。ただ、注意点もあります。
小説を読むのとは異なり、勉強でテキストや参考書を読む場合には、すぐに内容を理解できないことが多くあります。
そのような文章をフォトリーディングのような読み方をしても、思ったほど効果は無いはずです。なぜなら、理解するすぴーどが脳にインプットするスピードに付いていけないからです。
フォトリーディングでは、インプットは右脳で行い、内容の理解は左脳で行います。右脳が超高速で動いていても左脳との連携や、左脳の働きが遅かったら、全体のスピードは遅くなってしまうわけです。
それであれば、フォトリーディングではなく、文章の構造を手がかりに内容を素早く読み取る方が良いかもしれません。
試験勉強のステージ [知識の記憶]
試験勉強には“ステージ”があります。最低でも「前期」と「後期」の2つに分けて考える必要があります。なぜなら、「前期」と「後期」とでは勉強のやり方が異なるのが普通だからです。
「前期」では知識の理解と記憶をメインに行います。つまり、“インプット”のステージです。
それに対して、「後期」では問題を解いて解答を書く練習をメインに行います。つまり、“アウトプット”のステージです。
実際には、もう少し細かく考えた方がよいかもしれません。
試験直前の「完成期」や、
勉強初期の「導入期」
などです。「導入期」は試験勉強の計画を立てるときに、勉強内容の概要を知っていた方がよいので、全体を俯瞰するための期間です。勉強内容の骨格に相当する部分のみをザーッと短期間で学びます。
スマートフォンの利用 [知識の記憶]
まとまった勉強時間が取りづらい人の場合、いつでもどこでも“ちょちょっと”復習できるような態勢を作っておくことが大事です。
その意味で注目すべきなのがスマートフォンですね。携帯なので、“いつでもどこでも”という条件は初めからクリアしています。
あとは、“中身”。復習すべき内容をどうするか、です。
無料、もしくは安いアプリも多いので、使えそうなものが見つかればそれを利用するのもよいでしょう。
もう1つは、自分でクリッピングして作ってしまうという手もあります。例えば、Evernoteという(無料)アプリがあります。“神アプリ”とも呼ばれているそうですが・・・
これを利用すると、パソコンからもスマートフォンからもクリッピングができ、どちらからも同じ情報にアクセスできます。パソコンで教材などの文章・画像をEvernoteのサーバにアップロードしておけば、スマートフォンを使って、いつでもどこでも復習ができます。
合格する勉強と満点を取る勉強 [傾向と対策]
「合格するための勉強法」と「満点をとるための勉強法」って、違うんですね。
「合格するための勉強法」は、一刻も早く合格点を取れるようになる勉強法です。だから、合否に影響の大きい事は勉強しますが、滅多に出題されない事は勉強しません。
それに対して、「満点をとるための勉強法」は、極端な話、出題される可能性があれば何でも勉強する事になります。
当然、受験勉強では「合格するための勉強法」を行うべきです。そして、どう転んでも合格点は確保できるだろうと思えるまでは、出題率の低いジャンルに手を出さないことです。
模擬試験は積極的に活用する [その他]
模擬試験は積極的に活用するべきです。お金や時間がかかるので無制限というわけにはいかないでしょうが、なるべく多く受験しておきたいところです。
模擬試験を受けるメリットとしては、まず、その時点での勉強到達度を把握できるという事があげられます。
自分の弱点や他の受験生の中でのポジションが客観的にわかるので、それ以降の勉強を軌道修正することができます。
また、本番の試験に比較的近い環境で受験の練習をする事ができる点もメリットです。
本番の試験では慣れない環境や集中しづらい環境、プレッシャーなどで、なかなか実力を発揮できません。しかし、それも場数を踏むことで実力を発揮できるようになっていきます。そのための練習として模擬試験は最適です。
意図して「やる気」を出す [メンタル要因]
長丁場の試験勉強では、意図して「やる気」を出すような工夫も必要です。「やる気」が出ないようでは、どんな記憶術も、どんな教材も、その効果を発揮できないからです。
1つのヒントは「報酬」にあります。人の脳は「報酬」によって「やる気」を出すからです。
ただし、「報酬」といってもお金とかプレゼントではありません。
「やったー!うまく出来た」という達成感のことです。
ちょっと話がズレますが、世の中の成功者は皆、この達成感という「報酬」のために頑張った結果、最終的に成功できたのです。
試験勉強においても、達成感を感じられるような工夫をしてみるとよいです。例えば、単語を1000個記憶するという目標を立てたとすると、制覇した単語数をグラフ化して見えるところに張っておくのも良いと思います。
個人的には、1000からカウントダウンする表し方を好んで使っています。自分でいろいろ試して、一番効果がある方法を用いればよいでしょう。
また、ばっちり試験の準備をして試験に合格できた自分を具体的にイメージするのも、やる気を出す効果が大きいです。一般に、この手のイメージは具体的でないとあまり効果が無いとされています。
合格体験記などを読んで、自分に置き換えるなどすれば、具体的なイメージを描けるかもしれません。
いずれにしても、自分の明るい未来をイメージすることは大事です。
記憶術の活用 [知識の記憶]
記憶術はきちんと活用すれば、かなり効果があります。記憶に要する時間を大幅に短縮したり、逆に、同じ時間で記憶する量を大幅に増やしたりできます。
問題は、記憶術の習得段階で挫折してしまう人が少なからずいることです。これは、記憶術がどういうものかを知ることで、ある程度避けられます。
記憶術には「イメージ化」という右脳系の働きを利用したものと、それ以外のものがあります。それ以外のものの中には、左脳系とハッキリ謳った手法もあります。
一般的に右脳系の記憶術は強力であるもののマスターするのが難しいと言われています。特に左脳の機能が優位になった大人では、マスターしづらいでしょう。
それに対して、左脳系の記憶術はマスターするのが比較的容易です。
これらの事をわかった上で、どういう種類の記憶術を選ぶかを考えてみてください。
マーキングを活用しよう [知識の記憶]
参考書や問題集、単語集、熟語集、年表などにアンダーラインや星印などの印を付ける(マーキング)と、復習の効率を大幅に上げることができます。まあ、誰でも頭ではわかっている事だとは思いますが・・・。
アンダーラインを上手に引くと、その部分を見返すだけで1通りの復習ができてしまいます。逆に、“ここだけ確認すれば大丈夫”と思われる範囲にアンダーラインを引くようにすればよいのです。
ポイントは、アンダーラインを引く箇所が多すぎず、少なすぎず、ということです。多すぎれば復習に時間がかかりすぎるし、少なすぎれば重要事項が抜けてしまいます。
この点に関しては参考書の詳しさや自分の知識量にもよるので、アンダーラインを引く箇所を何%にするのが良いとは、一概に言えません。
また、復習を何回も行ううちに、もう見直す必要のない部分も出てきます。そこで、アンダーラインを色分けするとか、別の印を追加するなどして区別すると、さらに効率的な復習が可能になります。
細切れ時間の利用 [知識の記憶]
それには準備が物を言います。記憶を確認するためのカードを作って持ち歩くとか、音声教材を自分で作って通勤時間に利用するとか、やろうと思えばいろいろな方法が考えられます。
音声教材といえば、2倍速とかで再生すると効果がよりアップします。
● 1回聞く時間が短くてよいので何回も聞ける
● 時間が短い方が集中して聞ける
● 高速の音声を聞くことで脳が活性化する
一石三鳥ですね。
ジャンルによっては自分で作らなくても、既に2倍速や3倍速の教材が作られていることもあります。そういった教材も有効活用するとよいと思います。
よく使う知識は最初に覚えてしまう [知識の記憶]
小学校の算数で、掛け算の習い始めに九九を暗記するのもこのやり方です。その時は大変ですが、一旦覚えてしまったらあとは掛け算が楽になりますね。
このような事が中学や高校の勉強でもあるのです。その典型的な例が英単語・英熟語です。英文法や古語などもその類ですね。
大学入試に必要な英単語が5,000語とかあって、どうせそれを覚えなければいけないのであれば、高校のなるべく初期の段階で覚えてしまうことです。
経験者はわかると思いますが、教科書や参考書に出てくる英単語・英熟語を一々辞書を引いて調べるのは大変効率が悪いです。それだったら、英単語集や英熟語集で2~3ヶ月かけて覚えてしまう方がはるかに効率が良いですね。
え?そんなに一気に大量に記憶できないって?
藤本式記憶術や武田式暗記術などというテクニックもありますので、参考にしてください。